「全員揃ってしまったなら私たちの計画は失敗ですよ」
いらない人形は処分して平気です、と指示を出す。
「そう来なくっちゃなぁっ!」
銃口を私たちの方へ向ける。
「晴く、」
「いいから、後に下がって」
「死ぬのは彼氏さんからかよぉ」
引き金が引かれた。
………しかし、銃声は聞こえなかった。
「どけぇぇえ!」
「覚えているか、斑目 お前、一度も俺に勝ってないだろ?」
お父さんがマダラメと呼ばれる人を捕らえていた。
「縛れるもの!!」
「はい!」
あっという間に、捕まえられた二人。
「全部、終わった……」
「終わったよ」
「晴くん、怪我はない…?」
「あんたの方が心配なんだけどぉ」
良かった。
誰も、怪我してない。
私のせいで、巻き込んでしまった。
「すまなかった、彩月」
「お父さん…、なんで…」
「俺の昔のいざこざで起こったことだ」
「私がしっかりしてたら、何も起きなかったの、心配かけてごめんなさい 晴くんも翔くんも茉莉ちゃんも…」
すると、突然この場に合わない笑い声が響いた。
「羨ましいものですね!そうでしょう、橘くん!」