「なんで俺がここを手伝わなくちゃいけないわけ?」
「晴くん!手伝ってくれるんだね、ありがとう!」
晴くんが不満を言っていることに気づかないほど、私は晴くんとの準備が嬉しかった。

「御国さんと和久井くん並んでみて、ちょっと気になることがあるからさ」

「? 分かった」
よくわからないけど、学級委員の赤城さんの言われるまま、晴くんの横に並ぶ。
「やっぱり!和久井くんと御国さんの身長差、私の一番押してるカップリングの身長差と同じ!」
「いや、誰もお前の趣味なんて聞いてねぇよ!」
クラス中に笑いが巻き起こる。

「晴くんって大きいんだね」
「あんたが小さいんじゃない?」
「私は四捨五入したら百五十センチ余裕で行くから小さくないよ!」
「俺四捨五入したら百七十五センチ余裕で行くからぁ」
見下す形で、前に立たれる。別に私は小さくないし。みんなが高いだけ。
だけど…….、


「まぁ、和久井の身長でも俺らの中では普通っていうかむしろ小さいくらいだろ?174.2㌢だっけ?」


クラスメイトの何気ない一言で、私は小さいんだと改めて実感した。



私は147.9㌢だ………。