「それで昔の彩月はな………、」
リビングでお兄ちゃんが茉莉ちゃんと翔くんに昔の話を延々に聞かせる。
晴くんは興味がなさそうに携帯をいじっている。
私が荷物を起きに部屋へ行こうとすると、晴くんも付いてくると言う。
「荷物に変なものは言ってたら困るでしょ」「うん、ちょっと困るかな」
お兄ちゃん心配性だし、と呟くとそんな感じするねぇ。と返ってくる。
「何が入ってるんだろう…」
お母さんからのだったらお兄ちゃんに見せてあげようかな。
「蛇とか入ってたりしてねぇ」
「へ、変なことやめてっ!」
「冗談に決まってるでしょ」
ククッ、と喉を慣らすように笑う晴くん。
カ、カメラリビングに忘れた……。
今の晴くんの笑った顔、魅力的だったのに。
「さっさと開けなよぉ」
「う、うん!」
ゆっくり開けてみる。
大丈夫。一人の時より全然平気。
晴くんがいるから。
………晴くんといると安心するんだなぁ。
「……っう、何、これ…」
「うわぁ、悪趣味」
「み、見ちゃダメ!」
いわゆる、隠し撮り。
たくさんの写真が入ったダンボール箱だった。

