全ての記憶を《写真》に込めて



「では、各自下校とします」
校長先生が号令をかければ、がやがやと騒がしくなる校庭。
私は晴くんと茉莉ちゃんと合流し、翔くんのところへ向かう。




「翔、さっきの写真の意味を教えなよ」
「まぁ落ち着けって、まずは人目のつかないところ………うーん、彩月ちゃんの家に行けるか?」
「わ、私の家ならいつでもいいよ」
「じゃあ、そっちに向かおーぜ」
四人で帰る。
でも、楽しい雰囲気ではない。
決して負けて悲しいとか、悔しいとかではない。
いや、負けて悔しいけど。
それ以上にみんな真剣な表情だ。
「彩月、大丈夫だから」
「うん…」