全ての記憶を《写真》に込めて


「ほい、彩月ちゃん、カメラ」
「あ、ありがとう!」
「はぁ?翔が撮ってたのぉ?こいつにカメラいじれんのぉ?」
なんて笑いながら晴くんは言うけど、翔くんが撮った写真は見事晴くんを中心に収められている。

「バッチリだよ!凄い!」
「自撮りとかは得意だからな〜、俺」



だけど、気になる写真が一枚。



「え………、翔くん、これ」
「あとでな」
そう言って、晴くんに耳打ちして立ち去っていく。晴くんも真剣な顔になった。
立ち去り際、茉莉ちゃんにも声をかける翔くん。



「彩月!」
「ま、茉莉ちゃん……っ!」
「ほら、しっかりしな 負けたけど閉会式があるんだからね」