「晴くん!頑張ってね、借り物競争」
「頑張りたくないんだけどぉ……」
暑いし、と大きなため息をつく晴くん。
まぁ、こんな暑い中みんなで盛り上がってやっているけど、普通ならみんなぐったりしているはずだもんね。
体育祭の熱にやられてみんな元気になっちゃったみたい。
「和久井くん、彩月が応援されてるんだからそれに応えなよ〜」
「意味わかんないんだけどぉ、はぁ、暑いし……面倒だねぇ、ほんと」
「晴くん!」
「なんなの…」
「ん!」
晴くんの手を取って上下に激しく降る。
頑張れ、の意味を込めて。
すると、茉莉ちゃんも、何故か翔くんも、クラスの人たちも…。

「はぁ、ここまでされたら頑張るしかないよねぇ」


どうにかして晴くんのやる気スイッチが入ったようだ。