どうしよう。
話すことがないし、さっきの男の人に見られてる気がする。

「ねぇ、」
「は、はいっ!」
「…そんなに驚かなくてもいいでしょ」
「あ、ごめんなさい」
「ボクは、秋山千紘 よろしく」
「私は御国彩月です よろしくお願いしっ………ます」
一応年上だから敬語を使わなくちゃと思ったらと思っていたら声が上ずった。

「あの、秋山さんは、」
「長いから千紘でいいよ」
「あ、えっと千紘さんは真依さんのこと大好きなんですね」
「そうだよ」
即答で答える千紘さん。
それだけで、真依さんが好きだと伝わってくる。
「御国さんは和久井くんのことが好きなのかな?」
「えっ、い、いえ、あ、でも一緒にいたいとは思います」
いつも心配かけちゃうけど、晴くんは優しいし、一緒にいて楽しい。

「……ねぇ、何隣でそんなこと言ってんの」
「二人とも付き合ってないのに仲いいね〜」
「………もう帰るよぉ、遅くなるしさ」
じゃあね、とお金を置き私の手を引いて店を出る晴くん。








店内では、

「千紘くん、もしかしてわざと聞いた?」
「そうしたら和久井くんはこっちを向くかと思ってね」
「うーん、もっと話していたかったんだけどな〜」
「ボクじゃ不満かな?」
「っ、千紘くんがいい……です」

ラブラブなふたりであった。