「今日も暑いねぇ」

いつものように仕事場に着くと美雪ちゃん

私と同じ年の少しギャルな女の子で入ったのも私と同じ頃に入ってきた子で
話してみると人懐っこく誰とでも仲良くなれる女の子が休憩用の机に向かって座りながらパタパタと綺麗に赤で塗られた爪が良く似合う手で顔を仰いでいた。


「おつかれさまー美雪ちゃん」

私が挨拶をすると仰いでいた手を止めお疲れ様と笑顔を向けた。

「おはよーまゆちー今日は千葉ちん息子くんが熱出て休みだってー。だからうち代わりなのーよろしくねー」

そう言って椅子から立ち上がり一つ伸びをした

千葉さんの息子さんは今年4歳を迎えたばかりの男の子で前にここに連れてきてくれたことがあるが愛嬌のあるとても可愛い子だった

「あ、そうなんだ心配だね、よろしく」

私もそう答えてロッカーに自分の荷物を入れ仕事用のエプロンを身につける


鏡で軽く髪を整えているとガチャリと私たちの休憩するこの部屋、フロントの扉が開く音がした

入ってきたのは夜中から朝までの担当の木下さん

木下さんは入ってまだ半年だが中々しっかりした男性

30歳の独身らしいがなかなか落ち着いていてモテそうだなと思ったのが第一印象だった。

因みに光希さんのお気に入りだったりする。


「木下さんお疲れ様です。」
そう声をかけるとお疲れ様ととてもいい声で帰ってきた。

「306の部屋はシーツを剥いだだけだから残しちゃうけどごめんね」


そういって剥いできたであろうシーツなんかをバタバタと片付けていく

「大丈夫よーほら引き継ぎしなさい」

そう言って扉から入ってきたのは先に仕事場について木下さんを手伝っていたらしい光希さん

「すみません、じゃあよろしくお願いしますね」

木下さんは夜中の伝票を計算し出した。

私と美雪ちゃんも光希さんの手伝いをパタパタとしていく

といっても剥いだシーツとホーフ、枕カバーなんかをそれぞれの集める袋に入れて部屋にあったゴミなんかを捨てるだけなのですぐ終わる

私は先に木下さんに挨拶を済ませ306を掃除しにフロントを出た。