落ち着いてきた美雪ちゃんが言葉を迷いながら伝えてきた内容は私たちを恐怖に陥れた
私達が掃除に行きしばらくして足音が聞こえて来て
それを小窓(来客側から見えないようにマジックミラーになっている)から除いて確認すると社長たちだった
慌てて鍵を開けようとした時社長たちの後ろから美雪ちゃんをさっき掴んだあの303のお客様が追いかけてきていた
その顔は生気が無く口の周りに血が付きその形相は体を芯から震えさせる
社長と警察官田上はそれに気づき振り返った
「ヒッ、ば、化物…」
扉を背にする二人に逃げ場は無く追い詰められる
「ヴガッ、ヤ、やめろ!」
田上飛びかかり首元に噛み付く客
「ッ?!このっ!」
社長は近くにあった置物で田上に飛びついてきた客の頭を殴った
吹き飛ばされるように数歩よろめいた
その隙に田上を支え社長は逃げて行った
そのあとゆっくりと立ち上がった303の客の首は90度に折れ曲がりそれでも社長達のあとをおって言ったのだという
その話を聞いても私たちの体は社長達を助けに行こうと動くことも出来なかった