「ごめん、俺は奏汰じゃないよ?」
そう言われて、思考が停止した。
だって、え?顔は奏汰なのに…。
私が黙り込んでいると
「奏汰は俺の弟だよ、二卵生の双子だからね。俺たち」
「えええ、そうなんですか?間違えちゃって本当にごめんなさい。双子だったなんて聞いてなくて。」
内心すごく驚いたけど、お兄さんが優しい人で良かった。
「大丈夫だよ(笑)それよりさ、君ってあれでしょ!ななちゃん!」
なんでこの人は私の名前を知ってるんだ?
「はい、そうですけど、なんで私のこと知ってるんですか?」
「だって、奏汰なながなながっていっつも家でうるさいもん(笑)だから、すぐ分かっちゃった」
なるほど、奏汰が話していたわけか。
「あ、えっとお兄さんは…」
「俺は晴太、それにタメでいいよ笑」
「あ、、うん!とにかく、ごめんね。急に大声で読んでしかも弟の方と勘違いなんて…」
「席について。ホームルーム始めるぞ~~~」
先生が来て、私達は会話をやめた。
ホームルーム中、考えていたのは奏汰が家で私のことを話している、ということ。
ふぅ~~~ん、奏汰は私の話してるんだ……
そんなことを考えていたらホームルームは終わっていた。
つづく
