そう言ってニコリと笑うと、賢木は楽しそうに笑って「では、椎名を呼んで参ります」と部屋を出て行った。



「特別、かぁ……」


誰もいなくなった部屋の中で、思わずポツリとそう零す。



……李樹は、私が高1に上がった時に配属された専属のボディーガードだ。

つまり李樹の仕事は、私を守ること。



家が空手道場らしく、小中と鍛えられたその強さを父様が買ったらしい。


さすが父様が見込んだだけあって、その実力は同い年ながらにかなりの信頼に値するレベル。


たぶん、今まで私に付いたボディガードの中で1番強い。