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「おはよう、彩葉ちゃん」

「おはよ、三芳くん」



次の日も、当たり前のように三芳くんは家の門で私と李樹を待つ。




李樹への想いを知られ散々バカにされたからか、変に気負うこともなく気楽に会話ができた。


…まぁ、今度は別の意味で気負わなきゃいけないことができたけど。




「あ、昨日はありがとね?椎名クン。彩葉ちゃんと2人にしてくれて」

「いえ、別に」



思ったそばから早速三芳くんは李樹に絡んでいた。


それでも李樹は冷静に返す。



少しくらい気にしてくれたっていいのにね。




「りーきっ。三芳くんなんて放って早く行こう?」

「わ、彩葉ちゃん俺に容赦ないね」



言葉の割には楽しそうな表情を浮かべる三芳くんにあっかんべーをお見舞いすれば、私は李樹の手を取って歩き出す。




「…あいつと仲良くなったな」

「え?」


ボソッと李樹が何か言った気がしたけど聞き取れなかった。


聞き返そうとしたところでまた三芳くんが駆け寄ってくるからそれも出来ず。



「もう、三芳くん邪魔ー」

「え、俺婚約者なのに?」

「ちょ、ここでそれ言わないでっ!」


「………」



私が三芳くんに悪態をつく横で、李樹がそれ以上口を開くことはなかった。