それがヤキモチに聞こえてしまう私は相当バカなのかもしれない。



李樹はただ心配してくれているだけだというのに。




「ありがとう、李樹。けど大丈夫だから」

「彩葉はすぐ隙が出来るから」

「もう、心配性だなーっ。大丈夫だってば。ね?」



安心させるかのようにそう言って李樹の顔を覗き込めば、やっと李樹も笑ってくれた。



家を出る時まで気まずかったはずなのに、その笑顔ひとつで調子のいい私は嬉しくなれる。





「この手、教室まで繋いで行こ?」

「可愛いこと言ってくれるね」

「かわ…っ!?」

「クスッ、そういうとこだよ」



周りにも人がいるからか、李樹の彼氏モードは全開だ。



もうすっかり慣れた周りからの冷やかしも受けながら、私は李樹の手を離さないで教室までを歩く。




それだけのことでドキドキしながら歩いていたから、私は気付かなかった。






「ふーん…。そういうことね」



そんな私達を、私を、三芳くんが見ていたことに。