「俺も一緒に学校行かせてもらうよ。いいよね?ボディーガードくん」

「…お好きに」



フイッと三芳くんの顔をそらして、李樹は何の迷いもなく私の手を繋ぐ。


…どこか李樹が不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか。




「徹底するね、ボディーガードくん」

「椎名で結構です」

「んじゃ、椎名くんで」



そして、そんな李樹にめげることなく話しかける三芳くんは本当に凄いと関心さえし始めていた。






「え…?なんであの2人に三芳くんが?」

「どういう組み合わせだよ、アレ」



学校周辺まで行けば、周りはざわざわと騒ぎ始めていた。





「三芳くーんっ、おはよ!」

「あぁ、アカリちゃん、おはよう」


「三芳くんっ!今日昼休み学校の中案内してあげる!」

「え、本当?嬉しいなぁ。ありがと、シオリちゃん」



たくさんの女子から話しかけられるたびに、隣に並ぶ三芳くんは完璧な笑顔で1つ1つ対応していく。


何より、昨日の今日で女の子の名前を覚えてることに驚きだ。





「三芳くんって、結構慣れてるよね」

「そう?まぁロンドンでもそれなりには遊ばせてもらってたけど」

「…そうですか」



プレイボーイ発言をしたにも関わらず、やっぱりその容姿故かスマートに見えてしまうのが恐ろしかった。