私の家────皆月家は、国内でも限られた名家の1つ。



皆月グループと聞けば世間で知らない人はいないというくらい、かなり影響力のあるグループだ。



───コンコン


「彩葉様、失礼いたします」

「なぁに。賢木(さかき)」


ベッドに寝転んでいるところで、私の許可が下りる前にドアが開いた。


私の専属執事の賢木。

私の『専属』という肩書きのある彼は、私の許可をなくしても部屋に入ることが許されている。



「本日は17時より英会話がございます。ご準備を」

「……もう、分かってるってば」


顔をしかめても、賢木は淡々と今日のスケジュールを説明する。


……そう。私はこの家の娘。いわゆる、お嬢様というやつだ。