「…なるほど。昨日のうちにそんなことが」
「それなのに李樹はいつもと変わらないし。もうどうしたらいいかわかんない…」
話を終えた私は、抱っこをしたヤマトに顔を埋める。
そんな私の頭を光里はポンポンと撫でてくれた。
「李樹くん好きなの、やめる?」
「…っ」
唐突にそんな質問を投げかけられ、反射的に首を横に振る。
そんな自分にハッとして、苦笑した。
「忘れる気もないのか、私…」
「それだけ好きってことなんだろうね」
「重症…」
はぁ、とため息を吐く私と、微笑む光里。
「あたしが言うのもあれだけど、まだ諦めるのは早いんじゃないかなー」
「え?」
「だって、李樹くんが彩葉を大切に思ってるのは見ててわかるもん。それがまだ恋愛対象じゃないってだけで」
ニコニコと光里はそう言うけど、私にはいまいちピンと来ない。
「とにかくさ、もう少し頑張ってみなよ!どっちにしろ彩葉だって李樹くん好きなのやめられないんでしょ?」
「う…っ」
「顔赤くしちゃって。かーわいー」
「ちょ、からかわないでよっ!」
顔が赤いであろう私を、最後まで光里は楽しそうに笑ってくれた。