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「…は、彩葉…!」

「…ん、父様、母様…?」



いつの間にか意識を飛ばしていた私が次に目覚めたのは、自身のベッドの上だった。




心配そうに見つめる父様と母様が目に入る。



視界の端には賢木と李樹の姿。




そして。



「ミャ〜」


私の顔にすり寄って来る黒猫ちゃんもいた。





「あれ、私…。ていうか、なんで…」



建物を李樹と出た後から、記憶がない。





「椎名が連れて来てくれたんだよ。お前を抱えて」

「犯人達も椎名が捕まえてくれたわ」



父様と母様の言葉でやっと状況を把握する。





「そう…椎名が」



チラッと李樹の顔を見れば、心配そうに、けどバツが悪そうに私を見つめていた。





「旦那様、奥様。そしてお嬢様。申し訳ありませんでした」



そして、私達に向かって頭を下げたんだ。深々と。