「……それで?なんで朝からお2人さんはイチャイチャしてたのかな?」
李樹に腕を捻りあげられたら輝のことを散々笑ったあとで、思い出したかのように光里はそう尋ねてきた。
それには輝も同意だったみたいで、興味ありげにこちらを見てくる。
……2人とも、顔がニヤニヤしすぎだよ。
別にイチャついたつもりはないのに。
そうは思っても、弁解すれば余計に煽られるのが分かってるから、余計な言い訳は言わなかった。
「今日ね、久しぶりに放課後の予定がないから李樹とデートの約束をしたの」
事実だけを伝える私の声は、わかりやすいくらいに弾んでいる。



