今私の頭の中は、どうやら相当李樹のことで頭がいっぱいらしい。
「えへへ、椎名に会いたくて」
「っ、だからって…」
素直にその気持ちを伝えれば、困った顔をしながらも李樹は跳ね返さないでいてくれる。
「部屋に入れてよ」
「いや…、流石にそれは問題になるので…」
「えー。いいじゃない」
入れて、ともう一度強く言えば、李樹は「10分だけですよ」と部屋に入れてくれた。
意外にも、初めて来る李樹の部屋。
賢木の部屋ですら、小さい頃に探検で1度入っただけだ。
必要最低限の物しか置いていないシンプルな部屋。
なんだか李樹らしい部屋だった。



