「ありがとう。父様、母様」
「その代わり、そいつにフラれないようにしっかりと捕まえなさい。娘が一生独身なのは親としては辛いからな」
父様の言葉に思わず笑ってしまう。
あぁ、大好きだ。父様も母様も。
2人の子供で良かった。
「ふふっ、頑張ります」
私はその日、改めて李樹への想いを強く思った。
一つ、壁は越えられたんだ。
肝心の李樹からの好きの矢印は私へは向いていないけれど。
好きと言うための努力、というのを、私は少しできたと思う。
また、李樹に好きと伝えてもいいだろうか。
…あ、やばい、どうしよう。
そんなことを考えていたからなのか、不意な衝動に駆られる。
今すぐ、李樹に会いたい。



