こんなに、両親に真剣に向き合ったのは初めてかもしれない。
李樹は、私にここまで出来るほどの想いがあることを教えてくれた。
私には李樹だけなんだ。
深々と2人に頭を下げる。
もし断られでもしたら、勘当されても構わないと思えてくるほど、私は李樹が好きで好きで堪らない。
「…顔をあげなさい、彩葉」
少しの沈黙の後、そう言ったのは母様ではなく父様の方だった。
顔をあげて、バチ、と父様と目が合えば、その表情は少し和らぐ。
「いいだろう。彩葉の好きにしなさい」
「…っ!あ、りがとう…!」
その承諾の言葉を聞いて、思わず父様に抱きついた。
「ははっ、全く。頑固な子に育ってしまったもんだ」
「クスッ、そうですね」
父様と母様の笑う声が聞こえる。
認めて、もらえたんだ。



