「てことで、決まりねっ」
「分かった。彩葉がそうしたいなら行こうか、デート」
「やった!」
ニコリと笑ってくれたことが嬉しくて、思わず李樹の腕を組む。
「ちょ、彩葉、近……「あー!ラブラブカップルはっけーん!」
李樹が何か言いかけたのと同時に、重なって別の声が聞こえた。
「よせって。煽るとまた李樹に睨まれるぞ」
「あたしは彩葉に言ったんです〜」
「ったく、この減らず口が」
「なんですって!?」
声のする方を振り返ると、そこにはお決まりの喧嘩を繰り広げる2人組。
「ちょ、2人とも……」
取っ組み合いになりそうな勢いの2人に止めに入ろうとするも、残念ながら私は役立ちそうにもなかった。
「彩葉、下がってて」
「う、うん」
だから、いつもここで李樹が間に入る。
────グイッ



