「すまなかったな」

「……え?」



次の瞬間、覚悟を決めていた私の耳に届いた父様の言葉はまさかの謝罪だった。


訳が分からず混乱する私に、次は母様が言葉をかける。



「彩葉あなた、好きな人がいるんでしょう?」

「…へっ!?」

「あら、やっぱりそうなのね」



思わずあげてしまった私の変な声で確信と判断したらしい母様は、何故か嬉しそうにクスクスと笑う。


その横で父様は安心したように息を吐いていた。




な、なんでこんなことに…?


一体三芳くんは、父様達に何を言ったんだろう。



流石に好きな相手が李樹ということは言ってないだろうけど。