俺がずっと守るから


***


そしてやって来た、お休みの今日。



「りーきっ」

「ん?随分とご機嫌だね、彩葉」


学校へ向かう中、私は彼氏モードの李樹に笑顔で話しかけた。

その内容は、昨晩ずっと考えていたこと。


「ねぇ、今日の放課後、デートしない?」

「……え?」


まさかの私から発せられた"デート" という単語に、李樹は目を丸くした。


ふふん。
ここまでは予想済みだもんね。


恋人をやってきていながら、私達はこれまでに一度足りとも2人で出かけたことがない。


理由は単純。危ないからの、その一択。


「……よろしいのですか、そんなこと」


余程驚いたのか、李樹はいつもの敬語口調で私にそう尋ねた。

けど、ここも予想済み。


「えぇ。許可はちゃんともらってるわ。それに何より、何かあっても私には李樹がいるから平気でしょ?」

「それは……そう、だけど」


私のここまでの対策に、李樹は渋々敬語を飲み込んで、ようやく首を縦に振った。