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「いーろはちゃん」
「…なんだ。三芳くんか」
「なんだって酷いなぁ」
それからも、学校での李樹との距離は変わらなかった。
それでも、前みたいな気まずさはない。
学校中で "別れた" ことになっているけど、時々一緒に話したりもしている。
そして、三芳くんは相変わらずだった。
にこにこと笑っては、私に話しかけに来る毎日。
「他の女の子のところ行けばいいのに」
「もう他の子とは関わってないよ」
それでも、不意に見つめる真剣な目が私への想いをまっすぐに伝えて来る。
ドキドキとしてしまうのに、やっぱり李樹だけな私にはそのドキドキは恋愛の音ではなかった。
前に麗美さんに言われた言葉が頭を過る。