「…で。なんで輝と関本がいんの」





すっかり日も沈み始めた頃。


ようやく帰って来た李樹は、私の部屋へやって来るとまず最初にため息をついてそう言った。



「お、李樹おかえりー」

「おかえりじゃねーよ。何寛いでんだ、輝」

「彩葉が暇そうにしてたから。来ちゃったっ」

「彼女か」



鋭く突っ込む李樹と、すっかりテンションが高くなった輝。


そんな2人を見て可笑しそうに笑う私と光里のその光景は、もう完全にいつもの昼休みと同じで。




「ただいま戻りました、お嬢様」

「4人でいる時くらいやめてよ、李樹」



場所が家というだけで、李樹が使用人と化するのはどうしても嫌だった。



李樹の態度を初めて見た輝は拍子抜け。



挙句に「李樹がキモい」と連発したため、李樹も仕方なくといった様子で敬語はやめてくれた。