俺がずっと守るから



眠りについた夢の中で、部屋の扉が開く音が聞こえた気がした。


「君も大概つまんない男だね」

「……賢木さん」

「少しは答えてやればいいのに」

「俺はただのボディーガードですから」

「それがつまんないって言ってるのになぁ」


誰かが話しているような、そんな声が聞こえる。



「……さま、彩葉様。起きてください」

「ん〜……」


目が覚めた時には、もうすでに李樹の姿はなくて、そこには賢木がいた。


右手にまだ少し温もりが残っている気がするのは気のせいだろうか。



「英会話、食事マナー、茶道……かぁ。今日の習い事は嫌いなものばっかり」

「心中お察ししますが、皆月グループのご令嬢ゆえです。辛抱ください」

「……はぁい」


今日のこれからのスケジュールを思い出して、溜息が漏れる。

けど、賢木に言われたらやるしかないんだもん。