日下部さんにウェディング参入のデザイナーの話を聞いた時はビックリし過ぎて、またいつもの冗談だと思っていたが・・・

本当に社長の希望だったとは!

認めて頂けて嬉しい反面、今まで以上に頑張らなくては!

「ありがとうございます。ご期待に添える様に頑張ります!」

手を差し出され、緊張しながらも私も握手をする。

社長はいつも柔らかい話方をする女性で、身なりも綺麗にしていて常に若々しい印象。

日下部さんの言っている言葉が本当ならば、香坂君のお母さんなんだ。

そう言われてみれば、目元とか似てるかも?

「アレが大好きな有澄君のおかーさんね。似てるんじゃない?」

社長が去った後に耳元で小さく呟かれ、私は日下部さんの足をヒールのカカトで踏んだ。

「いってぇ!」

「余計なお世話です。今のは教えてくれたお礼ね!」

意地悪が過ぎるから咄嗟の行動だった。

「あはは、日下部さんの足を踏みつけるとは!秋葉さん面白いですね。そんな事やりたくても誰もやれませんよ?」

「たーかーはーしっ!!」

「な、何でもないです!」

足を踏みつけた時を見ていた高橋さんは笑いが止まらないらしく、日下部さんをからかうと怒り出してしまい、高橋さんは慌てふためいた。

先輩後輩として本当に仲が良い。

私はこのじゃれ合いを見るのが好き。

綾美も含めて4人で、ずっとずっと、楽しいまま過ごせたら良いな───・・・・・・