「たぶん、中庭だよ。1人でいる時よく行ってるから」
「……さんきゅー」
莉音に軽く手を挙げて、教室から出る。
「……どうやって言えばいいかわかんねぇ」
中庭に向かいながらも浮かんでくるのはチキンでヘタレな考えばかり。
向こうから好きって言ってくれないかなとか。
まず、俺がチャラい時点でありえないし。
俺はチャラくないって証明しなきゃ。
でもさ、〝好き〟って気持ち絶対言葉になんかできねぇし……。
「あっ!」
俺はハッと思って、教室へと踵を返す。
「凜、いかなかったのかよ」
席へ戻る俺にいち早く気づいた哲がよって来る。
「ノートとペン取りに」
「は?仲良くお勉強でもすんの?」
「バカだろ。お前、そんなことするかよ」
ノートで哲の頭をポンっと叩いて再び教室を出る。
これしかないと思った。
たぶん静菜ちゃんを前にしたらうまく言葉が出なくなるから。
もうこのノートしかないと思った。
「……さんきゅー」
莉音に軽く手を挙げて、教室から出る。
「……どうやって言えばいいかわかんねぇ」
中庭に向かいながらも浮かんでくるのはチキンでヘタレな考えばかり。
向こうから好きって言ってくれないかなとか。
まず、俺がチャラい時点でありえないし。
俺はチャラくないって証明しなきゃ。
でもさ、〝好き〟って気持ち絶対言葉になんかできねぇし……。
「あっ!」
俺はハッと思って、教室へと踵を返す。
「凜、いかなかったのかよ」
席へ戻る俺にいち早く気づいた哲がよって来る。
「ノートとペン取りに」
「は?仲良くお勉強でもすんの?」
「バカだろ。お前、そんなことするかよ」
ノートで哲の頭をポンっと叩いて再び教室を出る。
これしかないと思った。
たぶん静菜ちゃんを前にしたらうまく言葉が出なくなるから。
もうこのノートしかないと思った。



