「静菜、もしかしたらチャラくないのかもしれないって朝言ってたんだよ」



莉音が俺の前の席に座る。



「……え?」


「でも、今のは完全なチャラ男発言でしかないよね」


「俺はチャラいから仕方ねぇんだよ」


「んな事言ってねぇで、坂口探しに行けよ!」



無理やり俺を席から立たせる。



「探してどーすんだよ」


「ちゃんと話せよ」


「いや、そんなん無理。緊張して話せない」



慌てて自分の顔を手で覆う。



「凜くん、顔が真っ赤!かわいい」



莉音がくすくす笑ってる。



「うるせー。黙れ」


「やっぱり好きでしょ?なら、ちゃんと言わないと」


「はぁ……」



言うったってどうやって言えばいんだよ。
静菜ちゃんを前にするとうまく話せないし。
〝好き〟ってたった二文字だってうまく言えない。

どう告げたらいいのか、どうやっても傷つけてしまいそうで。