「……帰ろうか」



嫌われてるのにどんな風にしたらいいかなんてわからないし
嫌われてるこがだいぶダメージ大きいし。



「え?」


「嫌いなら無理することないよ」



ベンチから立ち上がる。



「高藤くん?」


「ごめんね。無理して来てもらっちゃって」



あぁ、なんか俺泣きそう。



「え、いや別に無理してはいないけど?」


「ありがと。じゃあ帰ろうか」



静菜ちゃんに手を振って、歩き出す。


無理していないなんて、静菜ちゃんの優しさかな。
嫌いな人と一緒にいることなんて苦痛であるほかない。



「チャラい人は嫌いかぁー……」



来るもの拒まずでとりあえず受け入れてきたことを今ほど後悔したことはなかった。


でも、嫌いなのに嫌じゃないとか。
どこまでいい子なんだろう、静菜ちゃんは。


静菜ちゃんはやっぱりお姉さんタイプだよね。
静菜ちゃんみたいなお姉さんタイプは落ち着いてる男が好みなのかな。