「じゃあなんなの?」



普通の女の子ならここで怒りそうなのに、この子は全然怒らない。



「……すっ」


「す?」


「す、す、す……」



言えねぇ。
つーか、好きな子なんていままでできたことないし。
告白なんてしたこともなかった。



「……なにもないなら帰りましょう」


「デ、デート……」


「そんなにデートしたいならご飯でも行きましょう」



ベンチから立ち上がる。

どのぐらいここにいたのだろうか。



「あのさ、どんな人が好みなの?」



なんて立ち上がる静菜ちゃんに聞く。


「え?」


「いや……ちょっと気になってさ」


「チャラい人は嫌い」



俺をじっと見つめる。



「それ、俺……?」



嫌われてたとしたら、もうどうやって手に入れたらいいかなんてわからない。



「そうね、高藤くんはチャラいと思う」



……うん。
自分でも思う。