トイレから出て、ベッドに座ってタバコを吸う見知らぬ男に、私は疑問をぶつけた。



「あなたは誰?」



「佐田(さた)です。」



答えが、聞いたこともない名前で返って来た。



「佐田さん? どこの佐田さん?」



「まさか憶えてないんですか? 昨日のこと。」



私は正直に頷いた。すると、佐田という男は私の頭をより一層混乱させることを言った。