毎年夏、俺は両親に連れられて祖母の家に遊びに行っていた。

俺の祖母の家のある町は、今でこそ都心に通う人のベッドタウンとしてそれなりに発展しているが、二十年ほど前は隣の家との間隔が数十メートルあるのがざらで、田んぼと畑と雑木林ばかりが広がる、かなりの田舎だった。

同年代の子があまりいなくて、俺は祖母の家に行くと、いつも自然の中を一人で駆け回っていた。

それなりに楽しかったのだが、飽きることもままあった。