そこまで話すと、従姉妹はうなだれるように俯き黙った。

黒い髪がぱさりと顔を覆い隠す。

すっかり聞き入っていた俺は、早く続きを知りたくて急かした。

催促する俺を上目遣いで見て、従姉妹はゆっくりと笑った。

「だから現実に追いついたって言ったでしょう」 

そう言ってにやりとした従姉妹の口元は、八重歯が生えていた。

いつから従姉妹が八重歯だったのか、俺には自信がなかった。