好きの海に溺れそう

キッチンで色々と作っていたら、部屋から悠麗が出てきた。



「すげえいい匂い」

「もうすぐ出来るよ」

「なんか…色々とありがと…」



キッチンで俺の隣に立って料理するのを見てる悠麗。



なんか言いたそう。



自分で言うまで待とう…。



鍋の具を煮込んでる間、コールスローのためにキャベツを千切りしてたら、悠麗が口を開いた。



「なんか…玖麗、俺のこと………好きだって」

「…うん」

「色んな感情が俺ん中でいっぱいいっぱいで…玖麗にひどい態度取った…」



そっか…。



何があったのか詳しくはわからなかったけど、玖麗は勇気、出したんだね…。



悠麗も、気持ちはよくわかる…。



自分の中で苦しい感情と戦ってるときに、今まで仲の良いいとこだと思ってた玖麗から急に告白されて、普通でなんていられないよね…。



「俺も杏光から好きだって言われたとき、どうしていいかわからなかった」



ぽつりとしゃべり出した俺。



「でも、杏光はそんなこと見抜いた上で俺に告白したって」

「…」

「玖麗も、悠麗のこと、ちゃんと分かってるよ」



これから、2人の関係がどうなっていくのか、まだわからない。



でも、確実に、2人の中の時間が始まりだした。



どうか、みんなが幸せになる道が見つかりますように…。