好きの海に溺れそう

「ちょっと杏光!?」



朝ご飯代わりのあんぱんと牛乳を飲んでいた日夏があたしのところに飛んできた。



あんたは張り込み中の刑事かっての…。



「あんた達付き合ったの!?」

「そうなの~。昨日から!」



あたし達が付き合ったことはなぜか相当騒がれた。



あたしもだけど、海琉もなにげにモテるもんね…。年上のお姉様から…。



休み時間になると、呼び出しの嵐。



「暮名杏光ってどの子?」

「あたしですが…」

「海琉くんと付き合ってるってほんと?」



ほらきた…。



友達2人を連れてやってきたのは、上履きの色的に3年生。



「そうですけど…」

「マジ? 最悪~…。あたし狙ってたのに~」



そんなこと言われても…。



席戻っていいですかね?



「まあいいや。次さがそ。じゃ、お幸せに~」

「ありがとうございます?」



やっと帰ったと思ったら今度は1年生の男の子…。



「先輩、付き合ってください!」

「いやいやいや…」

「霜月と付き合ってるのは知ってます…。ダメ元でした…すみません…」