好きの海に溺れそう

「まじアイス?」

「言ったの自分じゃん」



そのとおり…。



「海琉、一緒に行こ?」

「えー…やだよ。暑いし」



嫌がる海琉。



上目遣い気味に精一杯かわいい顔をして海琉を見つめた。



「…」

「お願い…」

「…わかったよ」



やった!



「ガリガリくんでいいか。海琉にはハーゲンにしてあげるよ」

「ほんと!? やった」



好き…。



買ったら海琉がアイスが入った袋を持ってくれたので、あたしから手をつないだ。



海琉の顔を見ると、びっくりして赤い顔。



「好き」



その言葉は口から抑えることができなかった。



抑える必要なんてないけどね。



「ん…俺も」



海琉の予想外の言葉にただ嬉しくなって、手を更にぎゅっと握って帰った。



「ただいまー」

「もうごはん出来ちゃったよ?」

「えっ? ごめん…」



そのあと、あたし達が買いに行っている間に帰ってきた霜さんに付き合ったことを言ったら喜んでくれた。



ご飯を食べてみんなでアイスを食べて。



海琉にくっつきたかったけど、みんなが気になってなんとなくくっつけなくて。



「海琉、一口ちょうだい」

「いいよ。杏光のもちょうだい?」

「あい」



まあこんなのは昔から。



相手の飲み物飲んだり飲まれたり。



なのにこいつら…。