好きの海に溺れそう

「雛子さん! 俺らもここで食べたい!」

「じゃああたし張り切っちゃうよ~」



4人でご飯ができるまで海琉の部屋に行く。



悠麗と玖麗があたし達の様子をチラチラとうかがっている。



「何よ」

「ん~? いや、お二人はお付き合いされたのかなあと」

「お付き合いされました!」



そう言うと二人は一瞬黙って、すぐに嬉しそうな顔をした。



「よかったぁ~。おめでと!」

「へへ。ありがと!」



あれ? そういえば悠麗、昼麻ちゃんはどうしたんだろ…。



玖麗の前でそんなこと聞けないので、まあほっとこ…。



「二人が仲良いと嬉しいよ~」



玖麗が言った。



「なんか…照れる…」

「杏光かわいい!」

「ぐえっ!」



正面から玖麗に抱きしめられた…。



ん~かわいい!



あたしも玖麗をぎゅっとする。



「…なあ、テレビつけていいスか?」

「だめでーす。トランプしよ。負けた人アイスおごりね」



というわけでトランプをすることになった。



部屋には夕ご飯の仕度をしている匂いが入ってくる。



「ババ抜き真剣勝負!」



なぜかみんな真顔で、一言も喋らずにやるババ抜き…。



1枚だけカードを浮かしている悠麗が怪しい!



いいよ、取ってあげるわよ…。どうせ普通のカードでしょ?



なんて、挑発に乗ったあたしがバカでした…。



ババ引いちゃったし!



しかも負けたし…。