好きの海に溺れそう

「杏光も恋してるんだねえ」



学校の休み時間。



まだお昼前なのに購買の焼きそばパンを食べてる日夏に海琉とのことを聞かれた。



興味がないようで、実は興味があるらしい。



「日夏の方こそ、歩とどうなの?」

「何が?」

「何がじゃないよ。何もないの?」

「あると思う?」

「…」



思わないけど…。



「日夏は歩のことどう思ってんの?」

「ウザいなあって」

「いやまあウザいかもしれないけどさ…。好きとかそういう感覚は全くないの?」

「好きとか嫌いとかない。ただウザい」



歩…頑張れ…。



まあ、嫌いよりマシ…かな…?



うー…ん、多分…。



恋バナをした仲としては、ぜひ歩にはうまくいってほしい。



なんて思ってたら、放課後、校門になぜか歩がいた。



隣で歩いてる日夏は、歩を見つけた瞬間「げ」と言った。



あたしは歩に近寄る。



「何してんの?」

「日夏迎えにきた」

「は? あんたらいつの間にそんな進展したの?」



それは凄くびっくりなんだけど…。



「やめてよ。ちがうの。こいつが、学校はじまったら迎えに来るとか言い出すから『ウザいから来んな』って言ったら『ウザいだけなら行く』って…。本当に来たよ…」

「歩…。相当ウザいよそれ…」



歩はヘラヘラ笑ってる。



まあいいか…。



「てか大学生ってそんな暇なの?」

「俺まだ夏休みだもん」



それはちょっとうらやましい…。



「じゃ、あたし行くね。じゃあねお二人さん」

「は!? ちょっと杏光、行かないでよ」



あたしがいたらお邪魔ですから~。