好きの海に溺れそう

と思ったのに、取引先の出版社の返事が遅くて今日中に進めるべき仕事が何も進まない…。



仕方ないから明日やる予定の仕事をしてるけど、海琉の約束の時間間に合うかな…。



退勤時間ギリギリにようやく返事が来た。



急いで業務を終わらせても間に合うかどうか微妙…。



海琉に連絡しよ…。



『ごめん!仕事の関係で約束の時間間に合わなそう…』



メッセージを送ると、すぐに返事が返ってきた。



『じゃあどっかで時間潰してるね~』



ありがとう海琉…。



めちゃくちゃ急いで仕事を終わらせて、走るように会社を出て電車に飛び乗った。



待ち合せしてた駅で、海琉がスマホを見ながら待ってる。



「海琉~!ごめん!」



そう言いながら急いで近づくと、あたしに気づいた海琉が笑顔になった。



出してくれた手を握って歩き出した。



約束時間から2時間も遅れてる。



「何して待ってたの?」

「んー? 本屋さん行ったりカフェで時間潰したりしてたよ」

「まじでごめん~…」

「仕事だもん、しょうがないよ」



優しい海琉の手をぎゅっと握った。



社会人ってこういうことか…。



ちょっと歩いて、お店に入った。



おしゃれな雰囲気のカフェレストラン。



海琉が制服だから、見るからに年の差カップルって感じだ。



実際は1歳差だけど。