好きの海に溺れそう

「どうした歩(アユム)?」



その、歩と呼ばれた人は、まっすぐ日夏を見てる。



と思ったとき、歩が口を開いた。



「一目惚れした…」



は!? まじ!?



「彼氏いるってまじ!? 名前教えて!?」



そう言って日夏に近づく歩。



日夏はゆっくり歩の方を向いた。



日夏のタイプじゃないからやめた方がいいよ…。



「お兄さん、あたしのこと好きなの?」

「好きっす! 彼氏いてもいいから俺と友達になって?」

「むりむり。諦めなされ」



ばっさりと切り捨てる日夏。



「じゃあせめて連絡先だけ教えて!?」

「やだよ。それに、お兄さんたち成人? あたし達高校生だから犯罪だよ」

「高校生!? まじ!?」



高校生に見られてなかったのか…。



あたしも日夏も、大人っぽいもんね。



歩と少し話をしてから歩たちはどこかに行った。



「おモテになられるようで」

「どうせ冷やかしでしょ?」



そうかな…。



そういう雰囲気じゃなかったけど。



それからも何回か男の人に声をかけられたけど全部無視した。



鬱陶しいから普通に遊ばせてくれ!!



そしてなぜか、ナンパされるたびに物凄く海琉に会いたくなった。



何これ…。



ほんとに意味わかんない!



「ヒナ、あたしおかしい…」

「何よ」



わかんないよ!!