好きの海に溺れそう

「えー! 嬉しい!」



それは、小さなブーケだった。



白と黄色、オレンジのお花がかわいらしく包まれてる。



「どうしたの? これ」

「杏光の新しい門出を祝って用意した! 飾ってね」

「嬉しい~!」



ブーケに鼻をつけて匂いを嗅ぐ。



良い香り。



「これ渡すために呼んだの?」

「ん。それに2人になりたくて。公園行こ?」



海琉がそう言って手を差し出した。



あたしもその手に自分の指を絡めて繋いだ。



繋いだ手をそのまま海琉のコートのポケットに入れる。



マンションのすぐ近くにある公園に行って、ブランコに2人で腰掛けた。



「寒いからこれ使って」



海琉がそう言って、手が入ってるのとは逆のポケットから大きめのカイロを出した。



その甲斐甲斐しさに笑ってしまう。



愛おしいあたしの好きな人。



「明日だね」



海琉が、そこの自販機で買ったコンポタの缶を開けながら言った。



「うん」



あたしはおしるこの缶を開ける。



冬の夜の空気はひんやりとしてるけど綺麗に澄んでる。



「毎日泊まりに来ていいよ」

「毎日って…」