好きの海に溺れそう

~杏光~

明日の朝、家を出る。



一週間後に入社を控えてるあたし。



楽しみな一方、もう学生ではいられないっていうのが少し残念かな。



別に物凄く離れたところに住むわけではないから、家族で特別ご飯を食べに行ったりとかはしなかった。



ご飯を食べて、お風呂に入って、さあ寝ようかなーと思ったところで、海琉からメッセージが来た。




『外に集合!』



なんだろ?



ちょっとワクワクする。



そのあと、続けてメッセージが来た。



『あ、湯冷めしないようにしっかり暖かくしてくるんだよ!』



思わずふっと笑みがこぼれた。



うちのダーリン、ほんとかわいい…。



部屋着の下だけ履き替えて、コートを羽織った。



それから、最近1人でも巻けるようになったマフラー。



自分で巻けるようになったのは嬉しいけど、ちょっと寂しさもある。



巻いてもらうの、好きだったからな…。



スマホと、そして新居の鍵を一本持って家を出た。



家から出たら海琉が外で立って待ってた。



ん? 後ろ手になんか隠して持ってる…?



「海琉お待たせ!」



あたしを見た海琉はにっこりと笑った。



そして、「はい!」と、後ろ手に隠していた物をぱっと出した。