好きの海に溺れそう

やった!



一切れ食べ終わってから、次にフルーツタルトをフォークで刺して杏光が俺の口元にそれを持ってきた。



「あーんして?」



そのままぱくっと食べる俺。



これもなかなか美味しい。



「どう?」

「美味しいよ」



俺もフォークで刺して杏光にあげる。



満足そうに口に入れた杏光だったけど、しばらく食べてから、「海琉の方が美味しいね」と言った。



「そう?」

「うん、海琉が作った方が味も濃いし生地も柔らかくて美味しい」



杏光がそう言うから嬉しくて、自分でも食べつつ杏光にケーキを食べさせ続けた。



もうお腹いっぱい…。



「今日泊まってくよね?」

「うん、そのつもり。お風呂一緒に入ろー」

「何言ってんの…」



杏光の冗談にももう慣れたよ…。



ここ実家だからね!



まあ杏光も本気で言ってないと思うけど。



杏光と交互にお風呂に入ってから、一つのベッドで横になった。



杏光がくっついてくる。



寝間着越しに、杏光が俺の肩に甘噛みした。



月明かりに杏光の顔が照らされて、思わずその頬を撫でる。