好きの海に溺れそう

俺がそう言ったら、杏光がよく出来ましたというように俺の頭をなでた。



犬…?



にしても、杏光本当にかわいい…。



キッチンで一瞬だけ杏光を抱きしめた。



「じゃあサンタさん、ケーキ食べますか?」

「食べ比べる?」

「そうしよ。ちなみに俺が用意した方、俺が作った!」

「まじ!? これを!?」



目を見開いてる杏光。



大きい目がさらに大きくなる。



「海琉、前からすごいと思ってたけどこのクオリティはプロ!」

「そんなに褒めないで~」

「お店で売ってるのと変わらないじゃん…。早く食べよ!」



褒められまくって若干鼻が高い。



正直これは自分でもすごいと思う。



ケーキとケーキ用の包丁を持って部屋に行った。



杏光が買ってきてくれたのは、フルーツタルトとモンブラン。



甘い物だらけだけど、今日はクリスマスイブなので贅沢しよう。



「いただきまーす」



杏光が俺が作ったやつから先に食べてくれる。



杏光の表情を見ながら俺もケーキを口に運ぶ。



杏光は、また目を大きくして「めっちゃ美味しいよこれ!」と笑顔を見せた。