球技大会はバレーボールかバスケ、サッカーの中から好きな種目を選べる。



俺はバレー。



実は中学のときバレー部だったんだよね。



校庭を見回すと、杏光が視界に入ってきた。



バスケゴールの近くで一生懸命ゴールにボールを入れようとしてる。



綺麗にゴールが決まって嬉しそうにしてる杏光。



昔から運動神経が良いんだ。



俺も頑張ろう。



練習とその日の授業をこなして、放課後。



面接です。



帰りは杏光とはわざわざ一緒に帰ったりしないけど、たまたま帰り道で会った。



「海琉じゃん~。これから面接?」

「そう~…。緊張する…」

「メイドカフェだっけ?」

「違います!!」



バカ杏光…。



すぐこうやっていじる…。



「そういえば海琉って球技バレー?」

「あ、そうだよ。杏光バスケだよね、今朝見たよ、シュート」

「見た!?あれめっちゃ綺麗だったでしょ?」



笑いながらうなずいたら満足そうな表情。



「じゃあ俺こっちだから」

「はーい。面接頑張ってね。採用されたら行くよ」

「うう~ありがとう…頑張る…」



杏光と別れて、一人でカフェへ…。



正面のドアから入り、中にいるスタッフの人に声をかけると、奥へ通された。



「あ、バイトの子?」

「はい!霜月海琉っていいます」

「若いね~。あ、俺、店長です」

「今日はよろしくお願いします」



髪の毛をオールバックにしている店長さんは、40代の男性だった。



清潔感があって、堂々とした雰囲気がかっこいい。



「じゃあそこに座って、楽に話してね」

「はい」



はじまった面接は、バイト経験の有無とか、なんでカフェで働きたいかとかそんな簡単なもの。