そんなこと考えてたら昼麻ちゃんがお風呂から上がった。



「お先にありがとうございました」

「はーい。悠麗部屋にいるから、次悠麗入ってって言ってくれる?」

「わかりました」



昼麻ちゃんが悠麗の部屋に入った。



あたしも自分の部屋に入る。



そしてベッドにダイブ。



そのときちょうど、あたしのスマホに着信が入った。



玖麗だ。



「はーい?」

《ヒマぁ…》

「じゃああたしとおしゃべりしよ」

《そのために電話したんだもん…》



本当に暇そうな玖麗としばらく話すことにした。



「玖麗ってさ~。付き合ってる人とかいないの?」

《いきなりなんで?》



昼麻ちゃんと玖麗はちょっと似てるからなんとなく連想してしまった。



玖麗は多分、今まで恋人がいたことはない。



好きな人でもいるのかね…?



それとも、好きな人がそもそもできたことないとか?



その気になれば彼氏や彼女の一人くらい出来そうだけど。



でも玖麗が学校でいじめられてるのは知ってる。



その原因は、モテてる悠麗といつも一緒にいるからだと思う。



嫉妬の対象なんだよね…。



それに、玖麗自体もモテるから尚更…。



守りは学校が同じな悠麗に任せてるけどクラスが違うからどこまで守れるか…。



《付き合ってる人なんていないよ…。いたら杏光にとっくに言ってるし…》

「それもそうか。変なこと聞いてごめん」

《杏光はどうなの? 彼氏と…》



あたし? あたしは…。



「まあぼちぼち」



それしか言いようがない…。



あたしの恋バナよりも玖麗の恋の方が気になるんだけど…。



なにか玖麗が隠してる気がするのはあたしの気のせい?



前から玖麗の恋の話をしようとしても適当にはぐらかされるし…。



あんまり聞いちゃいけないのかもしれない。そう思った。