好きの海に溺れそう

微妙にコケそうになりながら、頑張って海琉の歩調に合わせる。



「怒ってる?」

「…俺より先に杏光の浴衣見た」



ぎゃあ!!



今、真剣に倒れかけた…。



何それかわいい…。



「変な声出そう…」

「…」

「独占欲強いね~? 海琉ちゃん」



ニヤニヤしながらあたしは海琉の顔をのぞき見。



顔赤くてかわいいよ、海琉! 好き!



全身から好きが溢れ出てくる。



ようやく二人の部屋に着いて、並べてある布団に倒れ込んで枕に顔を沈めた。



ニヤニヤが止まんない…。



でも布団と布団の間に隙間があるのが許せなくて、起き上がって布団同士を密着させた。



「隙間あったらくっつけないじゃんね?」



そういえばこんなにそばで寝るのなんて幼稚園以来だ。



ちょっとだけドキドキする。



海琉はというと、あたしより前の方にいて布団の上で座ってテレビを見てる。



その顔が赤いってことはお見通し。



隣に座って海琉の肩に頭を預けた。



海琉の方をちらっと見ると目が合った。



やっぱりその顔は赤くてちょっと動揺してて。



そのうち顔を両手で覆い始めた。



「なになに。ひたすらかわいいんですけど」



あたしがそう言うと顔をあげた。



「浴衣やばい…ね」

「そそる?」



あたしがそう言ったら、海琉はまた赤面。



「バカ…」

「初デートのときもあたしの浴衣見たじゃん」

「あれは…よそ行きじゃん。今日のはなんか…」

「エロい?」

「…」



海琉をこうしていじめるのが楽しくて愛おしい。