好きの海に溺れそう

「そういう問題じゃない!」



あたしはそういう感覚わからない。



言えないっていう人がいるのはわかるし気持ちもなんとなく分かるけど、あたしはそれより言いたい気持ちが勝ってしまう。



「言わないと歩、わかんないよ?」

「…」

「言わないと付き合うこともできないね?」

「…」



日夏が恋愛経験少ないのはこれなんだろうな。



「次はいつ会うの?」

「今日…」

「えっ今日?」

「だってあいつが…」

「ほんと日夏のこと大好きだね。勢いで言っちゃえ!」



日夏はこくんと頷いた。



…えっ? うなずいた?



「頑張れ日夏!」



日夏が恋か~。



何年ぶりなんだろ?



「ていうか日夏って彼氏いたことあるの?」

「ないね」



じゃあ歩が初めてかあ~。



他人事ながらドキドキしてきた…。



可愛すぎかよ…。



そしてその日の放課後も、そわそわしながら日夏は教室を出て行った。



あたしはいつも通り海琉と帰ろ~。



海琉と普通にマンションまで帰ると、エレベーターから昼麻ちゃんが出てきた。



「あっ…」

「あっ…」



昼麻ちゃんは苦笑いしながら「お久しぶりです」と言って行ってしまった。



どうして昼麻ちゃん…?



家に帰ってから自分の部屋にいる悠麗に聞いてみる。



「悠麗!」

「は? ノックしろよ…」



あ、ついうっかり…。



いつもしてるけど、あたしは内心動揺している。